潮汐表の潮止まりに騙されるな【海と魚1手目】
潮止まり。
潮汐の中で上げ潮と下げ潮の切り替わり期間。
満潮、又は干潮を起点に前後30分~1時間程度と言われています。
潮止まりの時は魚の摂食行動が落ちる為、釣れにくくなる。
よくご存じかと思います。
ショアジギの有名サーフ等では、潮止まりの時間になるとアングラーが休憩を始めたり、マズメ狙いの人は帰り始めたり、なんてこともありますね。
だがしかし、潮が止まれば魚が餌を食べなくなるのは自然の摂理として、
潮止まりの時間のはずなのに魚が良く釣れた、なんて経験はよくある話。
つまり、スマホアプリなんかの潮汐表はあんまり当てにならない事が多いのです。
潮汐自体は地球と月の引力の関係で発生していますが、実際には釣り場の地形やその時の天気、海流等の影響を大きく受けます。
この中で特に影響が大きいのが地形です。
↓の絵のように、陸(斜線部)に囲まれた、ひょうたんのような湾があったとして・・・
下げ潮で海水が湾から払い出されていく時は、口すぼみになった湾の先端(岬の間)を海水の塊が通ろうとする訳です。
水はとても重たいものです。1m四方の水槽に入る水の重さは1トンですから、たった1㎥で力士10人分くらいの重さがあります。
この重たいものが、慣性を持って湾の奥から狭い岬を通るわけです。
そのエネルギーたるや凄まじいものがあり、潮止まりの時間になったからと言ってピタッと止まることなどありえない。
すると、地理的に近くても湾奥では潮が止まっても岬ではまだ潮が動いている、なんてことが起きます。
実際は陸地だけでなく、海底の地形や天気、季節にも左右されますのでもっと複雑です。結局のところ、スマホの画面のみで現場の海を知ることなんてできないのです。
それらをきちんと予測する事は困難ですので、ルアーの抵抗や浮遊物の動き等で自分の五感で判断するしかありません。
潮の話は奥が深いので今回はこのくらいで・・・